何で怒られているかわからない。
小学生4年のころから、学校の先生に怒られることが多くなった。
みんなの前に立たされて、謝るように言われることもあった。
そんな状態で謝らなければならないのだから、とんでもないことをしたのだと思う。
だけど、何で怒られているのか、わからなかった。
謝る理由がないから、ずっと謝らなかった。
帰りの会で怒られたときは、「謝るまでは終わりにしない。だからみんなも帰れない。」と先生は言う。 謝れ! 謝れ! の声が続く。
人の表情や仕草で心の様子を読み取ることができなかった。
多分、このことが原因で誰かを傷つけるようなことを言ったりやったりしたのだと思う。
その当時ASDという言葉はなかった。
このころから、”人と関わるととんでもないことになる”と思うようになった。
自分の周りに壁を作り、他人が入ってこないようにした。
学校では口を利くことはなく、頷きなどで意思表示をしていた。
こういう生き方を始めてから、トラブルに巻き込まれることはなくなった。
社会科見学や修学旅行の行動班を決める時は、必ず最後まで残り、人数の少ない班に入れられた。もちろん社会科見学や修学旅行は仮病を使い行かなかった。だから修学旅行には一回も行ったことがない。
親も薄々わかっていたんだと思う。無理に行くようには言わなかった。心配かけてしまい申し訳なかったと思う。深く理由は聞かず、無理強いしないことに本当に助けられた。
今でも生き方は変わっていない。
友達は一人もいない。
それでも生きている。